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☆こちらは鬼灯の冷徹の私設ファンサイトという名の二次創作サイトです。(まことに申し訳ありませんが性質上18歳未満の方は御遠慮ください)★原作者・出版社等とは一切無関係です。女性向け、腐った妄想垂れ流し注意です。☆取り扱いカプ→鬼灯×白澤、白澤×鬼灯
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モブ白からの鬼白後日談完結です!お付き合いくださりありがとうございましたー!


【鬼白】鬼と獣の二律背反~After2



硬い寝台に、白と黒のコントラストが重なる。
袖や裾の飾りがふわりと扇のように広がり、
ホオズキを背負った質実剛健な黒い着物がその上に覆い被さった。



組み伏せられてはいるが、拘束されているわけではない。
なのに蛇に睨まれたウサギのように、白澤は身動き一つ出来なかった。


「私がどれだけ、我慢したと思っているんだ」

「ほ……ほおず、き?」

目をぱちぱちと瞬かせて、ほんの数十センチ上に覆い被さる鬼灯を見上げた。
こんな近くにいるというのに、顔の横でゆらゆらと揺れる着物の黒い袖のせいで、鬼灯の表情はほとんど読めない。


「うわっ…ちょ、待っ…ん…」

ぐっと近づく鬼灯の角が額の目にぶつかりそうな気がして白澤は反射的に目を閉じてしまう。しかし当然予想してた衝撃はなく、代わりに、八重歯というには凶悪すぎる小さな牙が舌をざらりと掠めた。

「んっうう」

キスをされたのだと気付いて、白澤は力を抜いた。
鬼灯とするのは二度目だ。一度目は、あの泉で。
酒の滝の水しぶきを浴びびしょ濡れになりながら何度も何度も狂ったように唇を交わした。
あれからまだ二週間――永く存在する白澤にすれば瞬きをする瞬間にも満たないだろう。
なのに気の遠くなるほど永い別離に思えた。

その距離が一瞬にして零になる安堵と、そんな気持ちを抱いてしまった自分への困惑。

「んっ…ふっ」
「はっ……」

牙と共にぴちゃぴちゃと咥内に侵入する分厚い舌は女の子のような甘い味はしないし慎み深くもない。狂暴な鬼灯そのものだ。


しばらく大人しくしていたが、乱暴に吸われてついに酸素が足りなくなったのか、白澤は切れ長の目尻に涙を溜めて鬼灯の後ろ頭をとんとんと叩いた。


ぷはっと息を吐き出して、2人は顔を離して睨みあう。
白澤はいつも朱い眦をさらに朱く染めて困惑したように見上げながら、
鬼灯はいつもの無表情に、なぜか苦痛を耐えるような表情を浮かべて見下ろしながら。


「んっ……おまえ、自分が何言ってるかわかってんのか!」
「あなたこそ、この二週間私がどんな思いでいたかわかりますか」
「……わかるわけないよ、来てくれなかったんだから」

では教えてあげます、とばかりに鬼灯は白澤の首筋をするどい爪で撫で上げた。


「苦しんでないか、怖がっていないか、ちゃんと眠れているのか、天界の連中にいらぬ揶揄をされていないか――もちろんあの時告げた言葉に嘘偽りはありませんが――考えれば考えるほど、私と貴方はそもそもこんな関係ではないと思い至ります」
「そりゃあ、そうだね。僕もおまえとだけは1ミリもわかりあえないと今でも思うし」

鬼灯の手がいつもの白衣とは違う、白い、上等そうな道服に伸びる。
金魚の尾のような腰帯を解くと、纏められていた前身頃が自由になった。

「では私はどうしたいのか――貴方を痛めつけ、恐れさせ、貶めたいというのはいつもどおりなのですが、一つだけ気付いてしまったんです」
「何に?」

するりと剥かれながらも白澤は鬼灯から目を逸らさない。
幾重にも柔らかい桃花の花弁のような袖が敷布に広がり、白桃のような瑞々しい肌が露わになる。

「それが全て私だけならいい――あなたを痛めつけるのが、恐れさせるのが、貶めるのが、私だけであればいいと思ったら、いてもたってもいられなくなり、そうしたらもう、会いに行くことは出来ませんでした。亡者に傷つけられたあなたを」


――滅茶苦茶にしてやりたくなる、こんなふうに。

鬼灯の低い声が白い滑らかな胸元をがぶりとなぞり、白澤は身震いした。
獣が獲物を食むように牙が朱い印をそこら中に結んで行く。
のど笛、鎖骨、脇腹。

そのたびに声を殺したような掠れた息づかいがあがる。
これではどちらが獣かわからない。

「……それがおまえの答えなのか」

白澤は、半分以上着物を肌蹴られ、息切れしながらも、鬼灯をじっと見据えた。
本来の神獣らしい威厳に並の鬼なら怖じ気づくだろうが鬼灯は軽く頷いただけだった。

「ええ」
「二週間も会いに来なかった、おまえの答えだと言うんだな」
「わかってくれましたか」
「わかるわけないだろ!ほんと1ミリたりともわかりあえない!!」


いつもたいへいのことにはへらへらと笑って喜怒哀楽くるくる変わる神獣が、怒っていたと思ったらとたんに悲しそうに顔を伏せた。
目に一杯涙を浮かべて、頬を染めて。

「森羅万象に通じると言われるこの僕が、わからないのはいつもいつもおまえだけだ、鬼灯」

会いたかった、と白澤は脱がされかけてる袖に顔を埋めて消え入りそうな声で呟いた。
地獄にある鬼神の私室の閨で着物に顔を埋めてぐすぐすとみっともなく嗚咽をこらえている吉兆の神獣。

「泣き止んでください、白澤さん。これでは私がいじめっ子みたいじゃないですか、いや、苛めたいんですけど」
「そういうところはほんとわかりやすいけどな!鬼!」

自暴自棄に覆っていた袖をどかした白澤の目はウサギのように真っ赤だったけれどもう、怒っているわけでも悲しんでいるわけでもなさそうだった。鬼灯は白澤の朱い目尻にちゅ、と口付ける。



「でもこれだけはわかってください、なんでいつものうさんくさい白衣じゃなくてそんな道服なんですか誘ってるんですか少しは自覚しなさい」
「いやいやこれっぽっちも誘ってないから!だって着替えがなかったんだもん。桃タローくんは山で芝刈りも川で洗濯も上手なんだよ」
「そんなことは聞いていない」

鬼灯は呆れたように手刀をくらわせながら、腰にまきついていた残りの帯を一気に取った。


「しかし白衣と違って脱がせやすくて非常によろしい」
「ちょっ……んっ……」

ずるずるとゆったりしたズボンも剥いで、太腿の内側に新しい跡を残す。

「なに…するんだよ…っ」
「これでも二週間我慢したんです、どうなってもしりませんよ」



――――――


「ひっんっ……あっ……やっ、んあっ」

四つん這いになるように身体をひっくり返され、ちゅぷちゅぷと穴に指が差し込まれる。
片方の太腿をしっかり抱えられ、這って逃げることも出来ない。

「はっ……あっ……鬼灯……おまえ、いいかげん……しつこい……」
「しっかり解さねば怪我しますから。中もまだ傷ついたままでしょうに」
「ッ……だからそういうことを言うなっ……ていうか鬼の爪のほうが痛ッ……い、ああっ」

ざり、と内臓の手前の前立腺を引っ掻かれて白澤は背中をつっぱらせて痙攣し、
びくりと震えたと思ったら、がくりとシーツに沈み込み、
腰をあげたままハッハッと獣のような浅い息を繰り返した。


「ひあ……あっ……」
「気持ち良いですか?」
「んなわけあるか……あっ……」

本当は痛いわけではない。
酷くする、といってた口ぶりを裏切り行為そのものは白澤を傷つけるものではなかった。
しかし、どうにもやり方がサディスティックだ。


「あっ……んっっ」

背後から覆い被さる鬼灯の指が2本、呼吸をする口の中にと突っこまれる。
指は白澤の舌を挟みおさえつけ、ぬるぬるする咥内をまさぐった。

「嘘つくと舌を抜きます」
「、あっ…ひゃっ……んっっっっ」

舌を抑えられ声も出ない。
代わりに唾液が閉じられない口からだらだら零れる。

ぐちゅぐちゅと、肛門と咥内を同時に指でまさぐられ擦られる息苦しい感覚に、
頭の中で星が弾ける。



「はっ……あっ……ああっっ……はうっ……」
「本当に獣のような鳴き声で可愛いですよ、白澤さん」
「んっ……」


つぽ、と舌の根まで触っていた指が抜けて、途端に新鮮な空気が流れ込んできた。
言葉もしゃべれる。


「あっ……きもちい……ほおずき……」
「それはよかったですね」


白澤の唾液で濡れた鬼灯の指が、快楽に仰け反った喉をこしょこしょとくすぐる。
自分で言わせておいて何を言うかと白澤は思ったが、嘘をついたら本当に舌を抜かれかねない気がした。でも、「我慢していた」という言葉どおり鬼灯が自分に欲情しているらしいのを見るのは悪い気はしない。


あの、冷徹な鬼灯が。


「ねえ……いれて、鬼灯の、ほしい」

白澤は後ろを振り返り、覆い被さる鬼灯にキスをねだるように首を回した。
不自由な体勢でなんとか唇が届く。
尻の狭間に押しつけられている鬼灯のそれはとても熱い。
しかし、鬼灯は一線を越えるのを躊躇しているのかさっきからずっと白澤を蕩かすことに専念しているように感じた。

どうして、と問うまでもなく、唇が離れて鬼灯の目を見上げればすぐにわかった。
瞳も声も欲に濡れて、なのに不機嫌そうに眉間に皺を寄せて。

「好きですよ、白澤さん」

その言葉が本物だとわかる。



――――



「あっ……あっ……そんな、ぜんぶはいんな…あっ……やっ」

貴方のぶざまによがる顔が見たいから、
なんて言って鬼灯は白澤の躰を仰向けにひっくり返した。


しかしその言葉は本心ではなく、真意は別のところにあるのだろう。

――自分が今、誰に抱かれているか。
それを白澤に確かめさせるために。

撫でるこの手は、抱きしめるこの身体は
地獄の薄汚い亡者などではなく、他の誰でもない鬼灯のものだということを。
それを教えるために奥まで身体を埋め込んで、じっと白澤の顔をのぞき込む。
白澤はしばらく目を閉じて浅く息を整えていたが、中でさらに熱く兆している鬼灯の熱を感じるとうっすらと瞳をあけて、悪戯めいた笑みを浮かべた。


「…あっ、、んっ、ほおずきも、きもちいい、のか?」
「ええ、とても。偶蹄類のくせにこんなにぎちぎち絡みついてくるなんて淫乱ですね」

黒いさらさらした髪が汗でぺったりと頬に張り付いている。
白澤が力なく首をふるとさらさらと枕に広がった。


「力を抜いてください、ほら」
「んっ」

額にまでぺたりと張り付いた髪をかき分け、鬼灯は額の朱に柔らかく口付ける。
腰を抱えあげられ揺さぶられるたび、朱い耳飾りがちりちりと揺れて白いシーツの上を躍った。

深く浅く、不規則なリズムで抜き差しされてそのたびにか細い嬌声をあげるハメになる。
淫猥な水音を立てる接合部は見たくない。とろとろと白濁を溢す陰茎を、揺さぶる動きにあわせてゆるゆると扱かれればもう、あっけなく墜ちてしまいそうになる。


「や、あっ……鬼灯、ほおずきっ……」

衝動にあわせて中がキュウウと収縮するのが白澤にすらわかった。
まさに今敏感な部分で味わっている鬼灯にはその伝導たるや言うまでもない。

「ッ…私ももう、我慢できそうにありません」


ぎしぎしと寝台のきしみが激しくなり、
白澤は鬼灯の手の中に、鬼灯は白澤の中に全ての想いと欲を吐き出した。





――――――


白澤は夢を見た。
見るのはいつもと同じ光景だ。
地獄には、亡者の生き血を吸って咲くそれはそれは美しい真っ赤な桜があるという。


美しい真っ赤な桜を見上げ、
ああ、またここで、
と白澤は悲しみにくれる。
諦め幹に手をつく白澤の背に、低い声が届く。

「綺麗な桜ですね。でも、あなたの方がずっと綺麗です」

驚いて振り返ると、そこには桃源郷の桃の木が咲き乱れていた。
そしてもっと驚いたことに、鬼灯が立っていた。
手に何かを持っている。

「どうぞ」

渡されたのは小さな枝。
瑞々しい緑と朱い実ををつけたホオズキの枝。
地獄で魂を導くホオズキの実。地獄の秩序を保っている鬼灯の証。


手の中のホオズキを見つめていた顔をあげると、地獄の真っ赤な光景は、
淡い光に塗りつぶされていった。



――――――





ごちゃごちゃした書物。
金魚草の置物。
よくわからない食玩類。

ここは、鬼灯の部屋。


「は……鬼灯!?え、どうして鬼灯が!?」
「おはようございます、白澤さん。寝ぼけてるんですか、今日あなたの寝顔を見るのは二回目ですよ」

目の前20センチのところにある鬼灯の角。恐ろしい三白眼。
白澤は全てを思い出し、金魚のようにぱくぱくと口を開けた。



全て思い出した。
そして、有り得ないほどの全身の痛みが襲ってくる。
特に腰から下の下半身のだるさは今までの遊びと比べものにならなかった。


「鬼灯、動けないんだけど……」
「……謝りませんよ、最初に言ったはずですから。どうなってもしりませんと」


溜め込んだ欲は結局一度ではすまず、飽きもせず、何度も何度も求め合った。白澤のほうは3度目くらいから記憶があやふやで意識をところどころ飛ばし、それでも名を何度も呼んでその背に爪をたて、声をかみころして肩に歯形をつけた。
白澤の白い肌にも、鬼灯のつけた跡がいくつも残っている。
全て亡者につけられた傷を覆い隠すような位置につけられていることには白澤は気付いていない。




「…なんか……だるい……」
「もう少し寝てなさい、いっそ永眠しろ」


鬼灯の手は子供にするようにふわふわと白澤の髪を撫でた。








鬼神と神獣が聞いて呆れる。
理性も何もかも忘れて、これではまるで、ただの一匹の鬼と獣だ。



それでもいい。
どうしようもなく例えようもなく、白澤は今幸福だった。
吉兆の印である白澤に出会ったどこかの誰かのように。







(完)
――――――――


ここまでお付き合いいただきありがとうございました!
神獣さまを愛でたいのと苛めたいのがあわさってこうなったww
モブ大好きですもっとふえて!!



お気に召したらぽちっといただけたら励みになります!
いつもありがとうございます!

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