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☆こちらは鬼灯の冷徹の私設ファンサイトという名の二次創作サイトです。(まことに申し訳ありませんが性質上18歳未満の方は御遠慮ください)★原作者・出版社等とは一切無関係です。女性向け、腐った妄想垂れ流し注意です。☆取り扱いカプ→鬼灯×白澤、白澤×鬼灯
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二人のファーストセックスについて考えてたらこうなりました。「いい男」って紹介したりいざとなると作戦だってツーカーで伝わる(八岐大蛇のあれ)二人に禿げ萌えます!!!!!!!!



抱くのも抱かれるのも命がけ

事の発端は何であったのか、甘い麝香の香りにかき消され定かではない。
いつにもまして不機嫌そうな鬼灯を見上げ、ただ見上げ、白澤は息を呑んだ。

 


「で、なんでおまえはいきなりやって来て僕のマウントポジションをとってるの」
「アァ?」
「……ごめんなさいなんでもないです」
「フン」


鬼灯は、如何にもおまえと一緒にいるくらいなら死んだほうがマシだと言いだしかねない鬼の形相でメンチを切りながらも、白澤をまたぎ、馬乗りになり、床に押しつけんと掴んだ手首は密着していた。

端から見れば、乱暴に床に押し倒されているのと変わりない異様な状況。
すわ天変地異か、今日は桃タローがいなくてよかったと、白澤は自嘲した。鬼の形相は相変わらずだが、しかし鬼灯の頬は心なしか朱く、掴んでくる手首もいつもの目つぶしをしかけるような狂暴さはなかった。躊躇うように視線を流すと、そのゆったりとした黒と赤の袂から、妙なものが見えた。

「もう一回聞くけど……いきなり何」
「見りゃわかるでしょ、性交ですよ性交」
「わかるか!あと性交に金棒とか縄とか蝋燭とかいらない」


袂から見えていた用途不明の数々を放り投げ、鬼灯は舌打ちをする。
ケンカだろうがしりとりみたいな遊びだろうが、気分とタイミングとバイオリズムがあえばいくらだって付き合う。これもそうしたことの延長なのだろうかと思うとそれ以上の疑問はわかなかった。鬼灯もそうなのだろう。仏頂面の中にも一欠片の楽しさというものか、仕事が全て上手く整っている時のような、閻魔にじゃれる時のような、そんな感情が見て取れた。どちらかというと、白澤は「抱きたい」側だったが。
だからこうして押し倒されているのは不本意で、身体をよじって鬼灯の拘束から逃れると、着物から覗くまたがる白い太腿を指で撫でた。

しかし、

「ふぎゃ」
「何勝手に触ってんですかしばきますよ」

目にも止まらぬ鬼灯の手さばきは、一瞬のうちに白澤の身体の自由を奪わせる。動きを封じる実用的な捕縛はもちろん、手首を頭上でくくりあげ両の腕に蛇のようにぎちぎちと絡む縄目の美しさは飾り縄のようだった。

「しばくってかもはや縛ってるじゃん!何この早業!?無駄に器用な日本神のスキル怖い!」
「ああ、地獄ではコレ(拷問)が仕事なんで」
「このワーカホリックが」

完全に動きのとれなくなった白澤の白い輪郭を面白げに指で戯れになぞる。正直、顔をみるだけで胃潰瘍になりそうな程だったが、こんなふうに触れられて不思議と嫌悪はなかった。いつもの突拍子もない暴力より余程馴染む。

「大人しくなさい」

とりあえず本当に身の危険を感じるまでは恐ろしいが好きにさせようとされるがままに力を抜く。馬鹿力の加減が難しいのか、自分から仕掛けてきたわりに鬼灯の指は辿々しく、女をよく知り自他共に認める好色としてはそれが些か物足りない。

「ん……あっ……ほおずき……ほお、」

思わず名前を呼び零れてしまう睦声を封じる手立てもなく、愛撫という暴力に身を任す。

「やめ……ほお……ず、ほお、ほおおおおおおあああああああああああああああ」

額の第三の瞳に顔を近づけた鬼灯の角が直撃し、鳥が絞め殺されるような叫び声をあげた。

「……仮にも神獣なのだから、も少し優雅に啼きなさい?」
「無茶ブリやめて!」

こんな拷問、涙目だ。
生温い桃色の気配を帯びた閨の空気は白澤の叫び声に一蹴されて、やはり鬼灯はどうあっても自分に責め苦を味合わせたいのではないかとそんな邪推もしてしまう。しかし再び淡々と己の仕事に従事する鬼灯に、白澤は今度こそ全てをあきらめて身体の力を抜いた。

(何がしたいんだこいつはもう)

身体を斃して覆い被さり、ぎこちなく接吻をしかける鬼灯の朱い唇は可愛くないことはないのだが、如何せん気分は龍に捕食されるウサギである。白い道服をはだけられ、乳首を痛いほど爪で摘まれ、はっと我に返る。


「おまえ、それでよく今まで女の子抱けたね???」

好き勝手乱暴にまさぐっていた鬼灯の動きがぴたりと止まり――
先ほどからのもやもやした疑問がようやく形になった。
牙が歯茎にささる接吻といい、

(下手なのだ、こいつは)

地蔵のように鬼灯は固まる。

「あー……もしかして、こういうのはじめて?」

と口にした瞬間。
縛られ身動きの取れない胴体に遠慮無く飛んでくる金棒。

「はいそこ返事は口でして!」

ごふぅと血を吐きながら最後の力を振り絞って白澤は突っ込みをいれる。

 


「そんなわけないでしょう!ただ……最近は忙しくて……それに、仕方ないでしょう私は拷問し、罰を与える立場ですから……」


――愛し方などわかりません。肩をふる目を伏せる鬼灯のそんな声は、何千年という気の遠くなるような長い付き合いの中で、ついぞ聞いたことがなかった。

 

「あーそれで僕ならどうなってもいいと思ったんだ?」
「いいえ、あなたなら……。多少手順を間違えても、そう簡単には壊れない、かと」

絞り出すような鬼灯の告白は、
鬼灯のほうこそ今にも壊れてしまうかと思うほど儚げなものだった。


「うん、最初から色々間違えてるよね」

縛るとか金棒ぶん回すとか。目つぶしするとか。
そもそもこういう行為につきものな、お互いの気持ちすら言葉にしていない。

 

「まったく……でもそういうことならいいよ。きっとそれも信頼の形だから」

長く永く生きて、長く永い付き合いの白澤ならば、たとえ愛し方の手順を少しばかり間違えたってそう簡単には壊れない。


「あなたといると安心するのはそういうことなのでしょうか」
「……僕に聞くなよ」

顔を上げた鬼灯はいつも以上の仏頂面だったが、
その尖った耳は、熟れたホオズキのように朱かった。






――――

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