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☆こちらは鬼灯の冷徹の私設ファンサイトという名の二次創作サイトです。(まことに申し訳ありませんが性質上18歳未満の方は御遠慮ください)★原作者・出版社等とは一切無関係です。女性向け、腐った妄想垂れ流し注意です。☆取り扱いカプ→鬼灯×白澤、白澤×鬼灯
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衆合地獄で亡者が脱獄し、花街にいた白澤さまが人質にとられる話。※モブ×白澤要素(鬼白前提)ご注意ください。最近鬼灯様の鬼灯が、とか白澤様に白濁ぶっかけたい、とか常に考えていてちょっと危ない。はくたくとはくだくって似てませんか音も。もはや白濁が白澤に見えてきたらようこそレッツ・ゲシュタルト崩壊の世界へ\(^o^)/


『衆合地獄より亡者13名が逃亡!直ちに全獄門を封鎖して下さい!繰り返します』

地の底から鳴り響く不吉なサイレンが職務に励む獄卒達の耳を劈いた。
非常警報は居住区、商業地区のスピーカーを通して中枢の閻魔殿と全衆合地獄に鳴り響く。もちろんこの祇楼、娼館が立ち並ぶ花街も例外ではない。というより、事件はこの花街の中でも有名な高級茶屋で起こったのだった。

あちこちで鳴るサイレンの音がハミングし、金切り声でその放送は、一段階、事件が最悪の方向にステップアップしたこと告げた。

『繰り返します、亡者は●●地区指定茶屋××に逃走を図り人質を取り立て篭りました。近隣の住民はただちに避難をしてください』


そのニュースは閻魔殿で獄卒を統率し、昼夜を問わず職務を真っ当している補佐官・鬼灯の元にもいち早く知らされた。

「まったく、死者が多くなるこのクソ忙しい時に面倒な……」
「鬼灯様もすぐ現場に急行してください!」
「大方あそこは比較的力の弱い鬼女と酔っ払い共ばかりだから突破しやすいと思ったのでしょう。それで、客や店の女性に被害は」
「それが、時間が時間だけに客の入りも少なく無事に脱出したようです。ただ、二階の一等奥で遊んでいた客だけが位置的にも逃げられなかったようで……」

茶屋の一番奥……つまり高級娼婦に与えられる座敷は、幾重にも廻らされた襖や格子に囲われ立て篭もるなら確かに手頃だ。また、そのような大金を積める程の重要人物なら人質にも適していると判断されたに違いない。全く悪知恵だけは働くものだと鬼灯は足を速めた。隣についてくる獄卒があわてて隣に並ぶ。


「で、その人質は」

何の感慨もなく鬼灯は尋ねた。
人質が誰であっても、逃亡の要求を呑むことはありえない。
だから名を聞いたのは事務的なものだった。


「それが――天国におわします神獣、白澤様のようで……」


足早に裾を捌いていた鬼灯がぴたりと止まった。

 

 

――――

 


「……悪いけど、こんなことしても僕に人質の価値はないよ」

高級茶屋の奥座敷の高座。幾重にも重ねた繻子織りのクッションに背をもたれさせながら、白澤は自分を取り囲む男達を一瞥し、心底どうでもよさそうに唇を開いた。


本来の獣の姿にでもなって逃げればよかったのだが、そう出来なかったのも偏に酒のせいだ。へべれけになり女性の膝の上でうとうとと眼を半分にしていたところだったのだから仕方あるまい。気がつくと、手に金棒を持った男達に囲まれ、この有様だった。


「残念だったね、何を勘違いしてるか知らないけどさ」


今日も平和なはずだったこの地獄の釜の底で突如起こった事件の中心に、この神獣は取り残されてしまったというのに己の身には無関係の出来事だと捉えているかのような節があった。いかにも、地獄で起こることのあれやこれ全ては鬼灯の管轄下であり、誰もがうらやむ桃源郷で自由に暮らしている白澤の預かるところではない。


「どういうことだ!」

極悪非道に焦燥がくわわった、なんとも縁起の悪い顔つきの男が声を荒げる。


「まず第一に、」

だいぶ酔いも醒めてきた白澤は億劫そうに口を開いた。
酔いが醒めたならばすぐにも変身して逃げればいいのだが、今度はキツい紐のようなもので手足を縛られて、どうやっても獣の姿にはなれそうになかった。

 

「第1に、僕も含めてここの連中は、死というものがない。ここでは何度でも再生する。だから命を盾に要求が通るとはこの地獄では思わない方がいい」


百歩譲って死なないまでも拷問されることもあるかもしれないが、元は人間だったそこらの亡者にたいしたことが出来るとは思えない。あの世の人間には痛くも痒くもないのだ。
それに、

「第2に、そもそも鬼灯は人質の安否なんて気にも留めちゃいない。あの現実主義な鬼神は『煮るなり焼くなりお好きにどうぞ』というね、賭けてもいいよ」


今にも目に浮かぶようだ、と白澤はあの不機嫌そうな無表情を思い描いてこっそり笑った。
そしてその笑みは濃くなり、舐めた唇を楽しそうに吊り上げた。


「第3に、鬼灯は僕のことが大っ嫌いなんだよ。どうして人質の価値があると思う?」

 

 


――――

「ふ…・あっ……」

男達は白澤の躰をクッションの上にひっくり返すと白い道服の前を引き裂いて覆い被さった。何度もひっぱたかれた頬が朱く腫れ、乱暴に畳に擦り付けられた手足にも朱の跡がつく。

「神獣様っていうからどんな有り難いモンかと思ったけどフッツーの人間じゃねえか」
「んくっ……」
「はは、こんなおキレイな人間いるもんかよ。そこらの女よりよっぽど……」
「かはっ」


男達は、白澤の理路整然とした説明に自棄になったわけではない。
白澤の予想は裏切られ、何故か、金棒を持った鬼灯が率いる獄卒達が突入してこなかったのだ。人質なんて芥ほどの意味も持たず遠慮無くずかずか踏み込んでくると思ったのに。
そして、「人質の安全に配慮し、逃亡と恩赦(解脱)の要求は一考するからしばし待て」とのメッセージが届いた。


生死の狭間に直面した興奮と昂揚で、一時的に性的興奮に陥ることはままある。
時間も出来たというのが災いしたのかもしれない。

「ホラ、口開けて鳴きな。外の連中に聞かせてやればいい」
「うぐっ……あ、ぁっ」

獣のように後ろから覆い被さられ腰を持ち上げられ、膝が崩れながらも顔をクッションに押しつけ声を殺していた白澤の首筋をつかみ、男は後ろから突き上げる。引き攣った白い喉から悲鳴が迸った。


「かはっ……あ……や……」
「良い格好だな神獣サマよお。これじゃあ変身してもご自慢の白い毛皮がベタベタになってるんじゃねーか」
「ははっ違いねえ」
「んう………げほっ」


何度も何度も吐き出され、蹂躙され、濁った頭で考えるのは鬼灯のことばかりだった。これは鬼灯の指揮ではない。あの冷徹な鬼神ならば、すぐさま金棒を振りかざし突入してこんな状態になっている白澤を鼻で笑うだろう。
もしや彼の身に何かあったのではないか、そればかりが気に掛かる。

(鬼灯……)

どろりとした液体が足を伝い、ぽたぽたと畳に垂れ流される。引きちぎられた着物は躰を隠す役割はなく、乱れきってむしろ扇情的な眺めを提していた。

「はっ……あう……」


中に精を排泄して萎えた性器を抜いた男の代わりに、別の亡者が熱く煮えたぎったそれで新たに中を蹂躙する。

「はっ……ああ……いって、おくけど……これも……無駄だからな…ッ」

一通り挿入の苦痛を逃がして後ろを振り返った白澤は、しかしうっすらと笑みすら浮かべて男を見下すように嘲笑う。

「こう見えても……ッん……僕は好色で通っていてね……こんなのは何でも……あ、アッ!」


永遠という希薄な生を送る白澤は、代償に性に固執しているきらいがある。
もちろん男に抱かれるなんて初めてだが、そう考えればこれも性の理の一つの形だと、傷つくことではないのだと頭のどこかが考えようとしていた。しかし腹いっぱいにつらぬかれ、きつく縛られた手首や好き勝手にひっくり返される躰が苦しいのはどうにもならない。心臓のあたりも、なぜだか痛む。

 

「は、あ…僕を、誰だと思っているの?」

ただ笑う。ただ嗤う。
亡者を見下すように、美しく。天界に住む神の獣の名に相応しく。

 

 

――――――

 

 

「で、その人質は」
「それが――天国におわします神獣、白澤様のようで……」

足早に裾を捌いていた鬼灯がぴたりと止まった。

「ハクタク……」
「はい、白澤さまです」
意味がわかってないのか平坦な抑揚で名を呟いた鬼灯に、獄卒が慌てて訂正をいれる。
そして極低の声音で呟いた。


「……ちっあのバカが仕事を増やしやがって」
「は、ハイい!?」
「何でもありません、さっさと行きますよ。こういうのは迅速に解決しなければ」


時は1刻ほど前に遡る。
知らせをうけた鬼灯はすぐに衆合地獄の門に辿り着いた。
人質が白澤であれ、鬼灯の仕事に変わりはない。すぐさま金棒を携え突入するだけだ。殺してもそうやすやすは死なない神獣だが、こんな手間をかけさせたあの間抜けに、早く当たり散らしたくてたまらなかった。

 

「亡者の要求を呑む?何故ですか。納得のいく説明を願いいます」

しかし門で鬼灯を待ち受けていたのは、衆合地獄の獄卒の足止めだった。

「それが、天国の神から圧力がありまして……我々にもどうにも」

困り果てた鬼達の言うことには、どうやら天界の神は地獄の鬼神達が仮にも神獣である人質の安否に配慮せずに実力行使に出ることを不快に思っているということだった。正統な手段をもって、引き渡しにあたるべきだと主張しているらしい。


「そんなの……本末転倒でしょう」
「我々もそう思うのですが、逃がしたのはこちらの不始末ですので強く出れず」
「まったくあの阿呆は・・どこまでこちらに迷惑をかければ気がすむのか」


ここに辿り着くまでに、すでに1時間が経っている。
よもや万一のことなどあるはずもないが、鬼灯は焦燥に取り憑かれていた。
普段に輪をかけて冷え冷えとした殺気をまとっている鬼神に部下達は声もかけられない。
そこへ天国からの死者がやってきて、丁寧ではあるが頑として譲らない態度で鬼灯の前に立ちふさがった。いかに鬼灯といえど、下手なことをすれば外交問題にも発展しかねないこの事態をどうすることも出来ずにいた。

 

今や鬼灯は完全に常の冷徹さを失っていた。
時間がたてば経つほど、事態は深刻化するに違いない。これが白澤でなければこうも心配することはなかったのだろうかと思うと、また苛立ちと焦燥が募る。
それからさらに一時間、鬼灯に決定的な決断をさせたのは、亡者たちからのメッセージだった。

解放にくわえて仲間達の恩赦をあらたに要求する一方的な通告。騒がしい電話の向こうからは、微かではあるが白澤の声が聞こえたのだ。


それは啜り泣くような微かな吐息に交じって。
普段気持ち悪いほどヘラヘラしているあの軽薄な男の、低い笑い声。

――僕を、誰だと思っているの?

電話を聞いた他の鬼たちは誰も気付かなかったようだからあるいは鬼灯の気のせいかもしれない。しかし、それだけで鬼灯が冷徹さを取り戻すのには充分だった。


自分はいったい、何を迷っていたというのだ。
外交問題などより大切なもの、優先することはあったはずなのに。
金棒を担いでさっさと茶屋に歩きだす。

 

「責任は全て私が取ります。あのバカを連れ戻しにいってきます」
「ちょっと、鬼灯さま!?」
「お咎めはあとで――大王にもそう伝えてください」

 

 


――――

縛られ鬱血した手首を投げだし、
身体中どこもかしこもべたべたに汚され破かれた着物と、汚れた亡者の精を閉じることも忘れた足に伝わせ、光のない黒々とした瞳は、頬を押しつけた畳の縁を見ていた。


突如、静寂に包まれていた茶屋の喧噪が破られた。
聞き慣れた足音が永い廊下を渡ってくるのが微かだけれど耳に届き、白澤の瞳が揺れた。
朱の唇が、は、と震える吐息を吐き出し、ゆっくりと笑みの形を作る。

 

 

常闇の鬼神が、まさしく鬼の形相で突入してくるまであとほんの少し。

 


 

――――

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